2018 全米女子プロをミル【畑岡奈紗・プレーオフ】

畑岡奈紗選手が10アンダーでフィニッシュしたとき、最終組のイ・ソヨン(So Yeon Ryu)とパク・ソンヒョン(Sung Hyun Park)はそれぞれ11アンダーと9アンダー。ともにあと5ホールを残すところでした。

過去にメジャーも制している実力者でともに昨年の Player of the Year。

「メジャーのプレッシャーのあまり・・」という理由でスコアを落とすことが考えにくい2人なので、畑岡選手が勝つ可能性は低いかなー、と思いつつ上がり3ホールのプレーを見ます。

しかし2人には悪いですが、

「スコア落とせー」

とだけ願っていました。w)

16番の池超えのセカンドショットなんて、ボールの軌道を見ながら、

「池に落ちろー!」

としか念じてません。
もちろん韓国人ギャラリーが多いのでそんなことを口に出したら殺されますが。

実際にパク・ソンヒョンのラフからのセカンドショットが池すれすれに落ち、ボギー以上がほぼ確実となったとき、心の中でガッツポーズしました。日本語で「消えた!」と口走っていたかもしれません。

しかしその絶対絶命の文字通り水際の危機を、パク・ソンヒョンは会心のロブショットによって自ら救います。
テレビにはきちんと映っていなかったようですが、ありえない角度でボールが宙に舞いました。そしてぴたりとピン横に止まりました。

なおかつ直後にユ・ソユンが下りの難しいバーディーパットを沈めて2位の畑岡・パクとの差を2つに広げます。

心の中で号泣します。韓国人のおばちゃんたちが横で大歓声を上げる中、唇を噛み締めます。

戸張捷が「これでユ・ソユンに90%決まりでしょうかね。」と言っているのが聞こえそうです。

しかーし。

ノリノリなはずのユ・ソユンがアイランドグリーンで有名な17番のティーショットを池に落としてしまいます。

戸張捷が「ゴルフは何があるかわかりませんね〜。」と開き直っているのが目に浮かびます。

ギャラリーのざわめきも収まりません。

「入るなー!」

という心の叫びが通じたのか、打ち直したユ・ソユン、グリーン奥につけたパク・ソンヒョンともにパットが入らず、1ホールを残して畑岡含む3選手が10アンダーで首位に並びました!

最終18番ホール。

アホみたいなロングドライブを見せたパク・ソンヒョン、

フェアウェイウッドで安全に池超えを狙ったユ・ソヨン、

ともにセカンドショットはバーディーを狙いましたが、

18番はパーでスコア動かず。

パット入るなー!という願いがここでも通じたようです。

これで10アンダーでフィニッシュしたユ・ソヨン、パク・ソンヒョン、畑岡奈紗3選手によるサドンデスプレーオフが決定。

いよいよ日本人選手が海外メジャーを制する日が来た! それも目の前で!

近くにいたボランティアが、ギャラリーに対して、「まず最初に18番、それで決まらなければ16番から」と説明しています。

するとパク・ソンヒョン、ユ・ソヨンに続き、18番ティーグラウンドに向かってゴルフカートの後部座席に乗せられた畑岡選手が通り過ぎます。

韓国人2選手に対する声援が大きい中、

「GO!NASA!」

とガッツポーズ付きで大声を出すと、彼女の口元が緩みました。

なんかもう、興奮しすぎてわけがわからなくなってきました。

サドンデス1ホール目は3選手ともに素晴らしいティーショットを放ちました。


(ゴルフチャンネルの再放送映像から)

ティーグラウンドからフェアウェイに向かう橋のたもとに誰もいなかったので、先頭を歩く畑岡選手に声をかけます。

「Get birdie Nasa!」

通じたかどうかわかりませんが、ちょっと微笑んでうなずきました。

それを聞いて積極的にバーディーを狙いに行ったのか行かなかったのか、畑岡選手のセカンドショットはグリーンオーバー。

同じように長い距離を残したユ・ソヨン選手が、まさかまさかのバーディーパットをねじ込んで主導権を取ります。


(再びゴルフチャンネルの再放送映像から)

続くバーディパットを沈めなければこの時点で畑岡選手の優勝はなし。

そして歓声がため息と変わり、無念にもボールはカップ横を通り過ぎました


(再びゴルフチャンネルの再放送映像から)

バーディーパットが外れた瞬間、帰りのシャトルバス乗り場に向かって歩き出しました。

道すがら、悔しいなー!と100回ぐらい口走ったと思います。
息子がリトルリーグの試合で負けたときよりも悔しいです。
川浜高校が相模一高に109対0で負けたときぐらい悔しいです。

イソップー! (意味不明)

シャトルバスで駐車場に向かっている途中、予報どおり、雨が降ってきました。

日本人のなみだ雨です。
川浜高校の滝沢賢治のこぶしも涙で濡れています。(しつこい)

最後に、NBCの全国ネット放送のエンディングで、畑岡選手が18番グリーンに一礼して去るカットが挿入されていました。