2021 ピュアシルク選手権②渋野日向子

バージニア州ウィリアムズバーグ、キングスミルリゾートで開催された女子LPGAピュアシルク選手権(Pure Silk Championship) を観戦してきました。

前回「ピュアシルク選手権①畑岡奈紗編」でも力説したように、これが1年4か月ぶりに一般ギャラリーの入場が可能になったLPGAの大会です。渋野日向子選手がディフェンディングチャンピオンとして臨んだ全英女子から招待選手枠を使って米ツアー挑戦を開始したのはコロナ禍の昨年後半でした。つまり最終日まで優勝争いを演じた全米女子オープンを含めて一般無観客の試合しかやってないんですね。

ってことは個人的にも渋野選手を生で観るのは始めて。

日本では老若男女誰もが知るお茶の間の大スターですからね。じっくり観察させてもらおうと思います。

2日目:苦難の渋野日向子選手

まず練習場に行くと・・・・ギャラリーも通るカート道路でストレッチをやっていましたw。 でもドライビングレンジの周りには2~3人しかお客さんがいないので、どうぞどうぞ気が済むまで準備体操に使ってください。

インスタートの渋野さんは10番ホールからティーオフ。グリーンのピン位置が書かれた紙を真剣に折った後、コースに一礼し、日本のテレビクルー、メディア関係者らにも「よろしくお願いしまーす」と挨拶をしてコースに飛び出していきました。

予選2日目は1アンダー24位タイからのスタート。予選通過などと言わずぜひ上位を狙ってほしいところです。

渋野選手といえばやはり今年の話題はスイング改造ですよね。といっても以前のスイングを何度も見たことがあるわけではないので比較は難しいのですが、確かに全英や全米のダイジェスト映像を比較するとトップの位置は低くかつコンパクトになっている気がします。

飛距離自慢の選手に比べれば確かに見劣りはするけれど、戦うには充分じゃないでしょうか。前日初日がフェアウェイキープ率100%だったように、正確性は簡単に身につくものではないですから、これは相当な武器だと思います。ダウンスイングからフォローにかけての力強さと柔らかさには惚れ惚れしますね。

しかし個人的にはショートゲームで苦しむケースが多いように見えました。とにかく固く速いグリーンはほとんどが砲台になっていて、奥に突っ込み過ぎても手前に逃げても難しいアプローチショットが残るというタフなコース設定。そして簡単には入れさせてくれない難しいグリーン。

でもボクはそこいら中に転がっているアベレージゴルファーで、トッププロのスイングやコース攻略を正しく解釈して上手く解説できる器量は備わっていないので、まぁ下手なうんちくはこの辺にしておきましょう。

ギャラリーの数は・・・少なすぎて簡単に数えられますね。w

まぁ米LPGAの平均的な景色だと思います。日本人とお見受けするギャラリーが3~4人かな。他の日本人選手と同様にメディアと選手関係者のほうが多いです。

同伴競技者と会話することなく淡々とプレーは進みますが、なにせバーディーが取れない! ショートホールでアプローチをしくじってスリーパットしてしまいダブルボギーを叩いた日には上位進出どころか予選カットラインも危なくなってきました。

17ホール目となるアウト8番で、絶対に外しちゃいけない崖下にボールを落としてボギーを叩いてこりゃ終わったかなあと思った最終9番。さ

さすがシブコさんですね。

やけくそで打ったとしか思えない長いセカンドショットをピンそばにつけ、入れごろ外しごろのパットを沈めて今日初めてのバーディー。最後の最後でようやく言えた「ぐれーと・ばーでぃー!」の掛け声にシブコスマイルをいただきました。

これが日本国民を虜にした笑顔かー! なるほどなー。

途中から渋野組に付いていたやたらと女子ゴルフに詳しいっぽいアメリカ人のおじいさんがシブコさんのプレーを心配しておられました。この人には翌日も2度ほどばったりとコースで会ったのですが、「今日の彼女はどう?」としつこく聞いてきたのでしつこく状況を教えてあげました。w

3日目:怒涛の渋野日向子!

2日目のラウンド終了は午後7時半過ぎで、もう駐車場行きのシャトルバスも終わってしまい途方に暮れるなどしたものの、渋野さんはギリのギリで予選を通過してホッと胸を撫でおろしました。畑岡&渋野がダブルで予選落ちじゃ敵わん!

でもギリギリであるがゆえに予選初日のスタートも早く、その12時間後の朝7時過ぎには2人ともコースに戻ってきていました。

そして練習場帰りの渋野さんにいきなり会釈をされてビビりました。この人は誰にでもお辞儀をするのか? それともこのおっさん日本人を覚えていたのか?

朝飯をもぐもぐ食べて開始したパット練習の最中にパチリと一枚。

そしてスタート前のシブコさんに声を掛けて自撮りを一枚。

めっちゃ近くに寄ってきてくれたのですが、このご時世ですから自ら「ソーシャルディスタンスでお願いします」と言って天下の渋野日向子を後方に下がらせましたw

その結果が、上の微妙な、他人以上友達未満な距離感。

いや、でも、マジで、「渋野日向子がPCR検査で陽性」とか出たら確実に疑われますからね。自分が、というよりも渋野さんの行動が批判の対象になりますから。

というわけで、この朝一で繰り出したシンデレラスマイルが彼女の緊張を解したのか、今日決勝初日の渋野さんは絶好調。出だしの1番こそパーパットを外して嫌な感じで始まったものの、僕がトイレに行って席を外していた6番ホールからバーディーラッシュ。用を済まして気が付いたらいつの間にか2つもスコアを伸ばしていました。

前の組のペースに引っ張られない一組目のスタートで、かつ朝一でコースコンディションも良好。グリーンも優しくなっているようでした。

ムービングデーの前半で5つもバーディーをもぎ取った渋野さん。ボランティアや先のアメリカ人のおじいさんに「彼女はもう5つもバーディをとったんだぜー。昨日とは全然違うよー。」と自慢して目を丸くされるのがとても気持ちいいw

後半も勢いは止まりません。

15番ホールではチップインイーグルを決めました。「ぐっど・いーぐる!」と声を掛けるとシブコスマイルをまた頂きました。いやそりゃー声を掛けるでしょう。だって誰も掛けないんだからー。

少ないながらもむしろギャラリーの数はこっちのほうが多かった同伴競技者のチェ・ナヨンと軽く会話など交わしながらご機嫌のラウンドを続きます。

そして260ヤードと前日よりも100ヤード近く短くなった最終18番で見事なドローボールでグリーンにワンオン! イーグルパットを難なく寄せて楽々バーディー。

「ナイスなラウンドでしたー」と声を掛けると笑いながら「ありがとうございますー」と返してくれてスコアカードのアテストに足早に消えていきました。

パー71の設定で、トータル64の7アンダーは立派! 68位から16位まで順位を上げてきました。なんでも64というスコアは、US LPGAツアー通算でシブコベストだそうです。

まぁお客さんも少なくて選手が身近に感じられたというのもあるんでしょうが、渋野さんは噂に違わずいい人でしたねw

ってかいい人過ぎないか? 声を掛ければ常に満面の笑みで返ってくるし。