2021 フェニックスオープン決勝初日①

例年の動員数を鑑みればギャラリー数を各日最大5千人に絞ったというべきか、直近のヒューストンオープン2千人から拡大したというべきか、迷うところではありますが、2021年の男子PGAウェイストマネジメントフェニックスオープンは有観客で開催されました。

場所はアリゾナ州フェニックスにほど近いTPCスコッツデールスタジアムコース。各日20万人前後入るギャラリーと、その中でも特に16番ショートホールを取り囲むギャラリースタンドの熱狂で有名なフェニックスオープン。

ただ、今年はコロナ禍で様子が違うようです。

2021年の男子ツアーはここまで1月中旬以降のアメリカンエクスプレスとファーマーズインシュランスはともに無観客、そして2月翌週以降のペブルビーチプロアマとジェネシス招待もギャラリーなしで開催されることが決定しています。

上記はすべてカリフォルニア州での大会ということもありますが、デフォルトで無観客という昨今の流れの中でフェニックスのみ強行突破の印象を受けつつ、大会開催の詳細が発表になりました。

入場チケット

もともとアナウンスされていたギャラリー数は最大8千人。

そのつもりで前年12月29日にチケットを予約しました。モバイルオンリーの諸経費込みで138ドル。安くないです。例年に比べれば数倍の値段です。先日のヒューストンではここに食事代が含まれていましたが、フェニックスではそれもなし。駐車場代は含まれているのでその点でのみ良心的と言えます。

速攻ソールドアウトというわけでもなく、切符が売り切れるまで数日かかりましたね。

その後、1月初旬に「ギャラリー数を8千人から最大5千人に修正」と発表。

んー、これはチケット購入者から抽選でもするのかと思いましたが、特にその様子もなく、1月18日にモバイルチケットがメールボックスに届きました。

TPCスコッツデール

フェニックスオープンを観戦するのは3年ぶりです。前回2018年の大会(2018 フェニックス・オープンをミル (1))では、初日のティーオフを前に怪我のため松山英樹選手が出場を辞退。日本人選手がいなくなったフィールドに拍子抜けしたものの、21万人とも言われたギャラリーの迫力は想像以上でした。

今回も観戦したのは大会3日目の決勝ラウンド初日。

前回もそうでしたが、空港でレンタカーを借りて会場のTPCスコッツデールに向かいました。マリナーズやエンジェルスを含め、プロ野球チームのキャンプ地としても有名なアリゾナですから、冬季2月でありながら気候はとても温暖で、今日も雲一つない天気!

さすが夏よりも冬の方がグリーンフィーが高いアリゾナだけありますね。

ただ、前回と違う点は、駐車場が場内にあること。

シャトルバスに乗って・・・ということがなく、入場ゲート横付けです。減らしたギャラリー数とバス車内での密を防ぐコロナ対策が相まってゴルフ場すぐ横にギャラリー駐車場が設けられたものと思われます。

そしてこれは最高ですね。

男子の大会では先日のヒューストンと、あとはマスターズのオーガスタナショナルぐらいしかオンサイトの駐車場は記憶にありません。キャパの大きい男子の場合、下手すると片道40分ぐらい無機質なシャトルバスに乗せられて・・・なんてこともザラですから、特にフェニックスでは前回3年前、帰りのシャトルバス待ちの長い列、コース内を歩きまくって疲れ切った身体にとても堪えました。

それが徒歩数分で入場ゲートと駐車場を往復できるなんて、ある意味コロナ様様です。まぁ当然138ドルという入場料にこの便利な駐車場の利用料が含まれていると考えれば合点がいくわけですけど。

入場

午前8時過ぎ。

入場ゲートにだーれもいません。前回訪れた2018年と今回2021年を比較してみましょう。上が3年前、下が今年の写真です。

2018年
2021年

入場前からカオスだったことを考えると、雲泥の差です。

「検温しますので帽子を取って進んでください」

と言われて歩いていくと、いつのまにかハイテクサーモメーターで体温チェックされた模様。

「はいどうぞー」との言葉を受けて帆を進めると、続いてはお馴染みセキュリティチェック。

通常、携帯や車のカギなど、服からありとあらゆる金属製品を取り出すわけですが、今回はそれを要求されず、すべてポケットに入れたままセキュリティスキャンを通過。

最後に携帯に写したモバイルチケットをスキャンしてもらい入場手続き完了。

極めてスムーズでした。コロナ前よりもスムーズかも。

入場ゲートをくぐると、以前は巨大なテントがあり、スポンサー絡みの商品を中心に買って買ってうざかったものですが、今は大会グッズを取り扱うお店がぽつねんと営業しているのみ。

広いスペースを持て余し気味です。

とにかく人がいないです。

前回は入口から人・人・人。

クラブハウス前にある18番ホールグリーンに向かう通路に人が溢れかえっていた記憶しかありません。

それが今朝は出勤してきた大会ボランティアのおじいさんたちの後ろをトボトボと歩いています。

16番スタジアムホール

TPCスコッツデールスタジアムコースといえば16番パー3ショートホール。

ただ今年はここでも様子が違っていました。

  • スタンドが3階建てから1階のみに。
  • 一般入場者の当日座席割り当てなし。すなわち全席指定。
  • 一般入場者も前売り券購入可能。ただし最小単位が4人だったと思う。

というわけでそもそも入場者が少ないこともあり、ホールを取り巻く人たちの数は少なく、自由席の空きを求める長蛇の列も見られませんでした。

このほぼ同じ角度から撮った写真を比べてもらえばわかりやすいですかね。同じ3日目の10番グリーン付近から16番スタンド方向を撮影した画像で、上が2018年、下が今回2021年です

2018年
2021年

スタンドの高さが違いますよね。階段を登った先にワンフロアのみ。3年前はその上下にもうワンフロアづつありました。

そしてギャラリーの数が根本的に違う! なんか真夏と真冬の海水浴場ぐらい違います。いかにこれまでの密が凄かったか、これでお分かりいただけるかと思います。

変化はこの16番だけでなく、17番ホールグリーン周辺にも及んでいました。

左右を取り囲んでいた巨大なギャラリースタンドがなくなり、ただのパー4ミドルホールになりました。

このスタンドは一般ギャラリーも気軽に入場できるエリアもあって、休憩にはもってこいだったんですけどねー。残念です。

代わりにプラスティックの椅子が置いてありました。w)

コロナ対策

20万人を5千人に減らしたことが最たるコロナ対策ではありますが、さらに当然のことながらコース内でのマスク着用、そしてギャラリーロープから3メートル以内の飲食禁止、という2項目を守るよう伝えられました。

マスク着用に関しては、セキュリティやボランティアですら徹底されていなかったヒューストンよりもうるさかったです。彼らはちょっとしたマスク警察で、非着用は言わずもがな、布が鼻にかかっていないだけで速攻注意されます。

飲食エリアの制限は、まぁ、観戦エリアが広いのでルールに抵触するような状況は生まれにくかったです。

問題はそこではなく、20万人と一緒になって騒ぐことが当たり前になっているギャラリーにとって、プレイヤーの迷惑にならないよう静かに観戦することが殊の外難しかったようです。ギャラリーが減ったせいで物音に敏感になり、ショットやパットの際に物音を立てると速攻で選手、キャディー、ボランティア、ギャラリーの全視線が集中します。これ、当たり前と言えば当たり前なんですけど、フェニックス人のゴルフ観戦の常識とかけ離れていたため、注意されても自分のことと気が付かないギャラリーや、ちょっとぐらいいいじゃんという人も多かったようです。

2021 フェニックスオープン3日目②松山英樹ほか