2021 ボーイングクラシック
「WE ARE BACK!」
そうなんです。コロナ禍で中止に追い込まれたトーナメントが、今年2021年に復活しました。
入場者全員に対する紙の大会パンフレットの配布も再開。屋外ではマスク着用義務もないので、あーすっきりした!
家の近所で開催される唯一のPGAトーナメントがこのボーイングクラシック。男子シニアツアーの一環として毎年8月にジャック・ニクラウス設計監修のザ・クラブ・アット・スノコルミー・リッジ(The Club at Snoqualmie Ridge)で大会が開かれてきました。タイトルスポンサーはワシントン州エベレットに本社を置くボーイング社。彼らの顧客である全日空や大韓航空なども協賛企業としてバックアップしているようです。
本番に先駆けて指定練習日とプロアマの様子を前回レポートしましたが、トーナメントを観るために週末土日に再訪しました。
さすが週末ともなると一般ギャラリーのボリュームが違うため、一台10ドルかかる専用駐車場を経由し、大型バスに乗ってゴルフ場入り。
ベルンハルト・ランガー(63)の組から追うぜ!と意気込んでいたら、暫くしてコース上にいた選手・関係者がどんどんクラブハウスに引き上げていきます。どうやら濃霧のためプレーが一時中断になったようです。
このエリアで個人的にもよくゴルフをしますが、確かに霧の発生頻度は高い。まぁしょうがないのでボーっと選手の調整風景を眺めたり、偶然会った協賛企業の知り合いと話したりして時間をつぶしていると、状況の改善に伴いプレーが再開されました。
「グッドラック!」と声を掛けさせてもらったランガーは、同組のマーク・オメーラ(64)とともにいぶし銀のプレーを見せてくれました。
スコアボードのプレイヤー名右側に貼ってあるシールは「ゴルフ世界殿堂入りメンバー」の証し。PGAメジャーを複数回制しているオメーラもランガーももちろん殿堂入りしています。ティーオフの際、スターターに「世界ゴルフ殿堂の・・」という枕詞を付けてもらう名誉が漏れなくついてきます。同じく世界殿堂入りしている尾崎将司や青木功がシニアトーナメントに出場すれば同じ待遇を受けるでしょう。(残念ながら出場権がありませんが。)
日本人の現役ツアーメンバーといえばケン・タニガワ(53)です。今はアメリカ国籍ですが日本で生まれ日本の国内ツアーに挑戦していた時期もあります。
ツアープレイヤーを引退してサラリーマンだった期間が長いものの、シニアでその才能と努力が開花! ツアーで勝利も挙げています。
個性的なプレーヤーで言うと、ボクの目を引いたのはロッコ・メディエイト(59)。名字は「Mediate」なのでミーディエイトまたはミーディエートに発音が近く、そう日本語表記されることもあります。
メディエイトといえば何と言っても2008年全米オープンで演じたタイガー・ウッズとの死闘! トーリー・パインズ南コース月曜18ホールのプレーオフでも決着がつかず、サドンデス勝負となった19ホール目で惜しくも優勝を逃したロッコ・メディエイトも、すっかり痩せて葉巻を燻らす初老ゴルファーとなりました。しかし極端なクローズドスタンスのドライバーショットが見れて本当に嬉しかった!
キャディーの負荷を考えてウッド類にヘッドカバーを着けないと聞いていましたが、バッグを覗くと確かにドライバーはそうでした。でもフェアウェイウッドにはカバーがかかっていました。w
メジャーと言えば、ボクが初めてアメリカで観たトーナメントが全米プロで、その勝利者がデービス・ラブ3世(57)でした。女子ツアーにはイ・ジョンウン6がいますが、元祖数字王といえばデービス・ラブでしょう。
来年2022年のプレジデンツカップ米国代表キャプテンに内定しています。試合でも乗用カートを使うなど、体型そのまんまの割に体力は衰えているのかもしれませんが、スイングの美しさは健在ですね!
ラブに続く世代としてタイガーとともに一時代を築いたといってもいいアーニー・エルス(51)とビジェイ・シン(58)が同じ組でやってきました。
この2人はとにかくよく飛ぶ! ティーグラウンドでのフェアウェイウッドの使用率の高さがそれを裏付けています。レギュラーツアーのスケールでシニアを戦うの反則です。ただ、その飛距離が直接スコアや順位に結びつくとは限らないのがゴルフですねー。二人ともトップ10にすら入っていませんでした。
最終日最終組で優勝を争っていたのがオースティン、フューリック、そしてモンゴメリー。
フューリックのノールックインパクト、そしてモンゴメリーのギッコンバッタンスイングは健在、そして未だ有効。
やっぱりゴルフ観戦は優勝争いを見るに限りますね! 和やかな雰囲気の中にも緊張感があって、一打一打に吸い寄せられます。
ところがここに先方の組からダークホースが登場。
豪州出身のロッド・パンプリング(51)。最終日66で追い上げて12アンダー首位タイでホールアウト。
このときちょうど18番グリーンサイドにいて「ひょっとして優勝するかも」と思い、このパンプリングにだけサインを頂きました。w
首位タイのフューリックの最終組がまだ4ホールを残していましたが、さすがに1週間ゴルフを見まくり疲れたのでこの時点で帰宅。
そしたらなんとモンゴメリーもオースティンも伸ばせず、逆にフューリックがスコアを落としてしまい、なんとなんとロッド・パンプリングが大逆転優勝!
見たかったような、見たくなかったような・・・。豪州人に優勝をさらわれたギャラリーの落胆が目に浮かぶ・・・。