【石川遼選手】ジョンディアクラシック2017決勝ラウンドをミル (?)
イリノイ州シルビスの TPC Deere Run で開催された男子 PGA ツアー、ジョン・ディア・クラシック (John Deere Classic) 2017 の3日目(決勝ラウンド初日)を見てきました。
とはいうものの、コース上での選手のプレーに関する記述はほとんどありません。
なにせ9割以上の時間は練習場にいましたからね・・・。
暇だから?
自宅のあるシアトル近郊からポートランド空港まで車で3時間走り、格安の深夜便で早朝にシカゴオヘア空港に着きました。
実はこの時点でもまだ会場に行くのを迷っていたんですよね。
このトーナメントの観戦を決めた理由、それは米国ツアーでまだ見ていない石川遼選手のラウンドを観戦するためです。
しかしその石川選手は、2日間トータル2オーバーで、カットラインに遠く及ばず予選落ちになってしまいました。
松山英樹選手は出場していません。
それでも週末を使って最寄りの空港まで行くことを決めた理由は、シカゴで面白い音楽フェスがあったから。w)
まぁゴルフがなくてもフェスを観に行けばいいや、ってな感じです。
で、その石川選手はあえなく予選落ちし、案の定そんな感じになっちゃったわけです。
当然フェスに直行するところなのですが、ライブは午後に始まるので、早朝便で空港に到着した自分にはまだまだ時間がありました。
暇つぶしに、間もなく始まる石川選手のいない決勝ラウンドを見てもいいのですが、会場の TPC Deere はシカゴ空港から西に2時間半ほど走らなければなりません。
松山含め有名選手のほとんどは翌週に控えた全英オープンの準備のため欠場しているので、レンタカーを飛ばしていく理由はほとんどなかったのですが、「暇だから。」という理由だけでやっぱり行くことにしました。
「暇だから」以外になんとなく思い浮かんだ理由は:
- 男子ツアーはメジャー大会以外を見たことがない。(シアトル含む米国北西部には男子ツアーのトーナメント開催がありません。)
- ここまできてゴルフを見ないのもなんかもったいない。(究極の貧乏性ですからね。)
- ひょっとしてひょっとして、予選落ちの石川遼選手がまだいるかも。(んなわけないんだけど。)
- 天気がいい。
午後には予定がありますし、片道2時間半ですから、正確には「覗きに行く」って感じです。ゴルフ場には正味1-2時間ぐらいしか滞在できませんからね。
見渡す限りのとうもろこし畑沿いのハイウェイを延々と西に向かいます。
1時間以上景色が変わりません。
眠気がピークに達したころ、場外パーキングに到着。
そこからシャトル(スクール)バスでゴルフ場に到着。
ボランティアスタッフがめっちゃテンション高いです。
「ほら、あなた、笑顔が見られないわねー。」
と言われても眠気マックスですから笑顔はなかなか難しい。
会場入りして初めて知りました。
ジョン・ディア(John Deere) ってヤンマーみたいな農業用重機の会社なんですね。
ゴルフ場の芝刈り機含め、早々たるトラクターのラインナップ。
夜に再放送していたトーナメント中継の実況者も
「こんな大きなトラクター、人生で初めてみました。」
と言っていました。
バッバ・ワトソン選手&K.J. チョイ選手をちょいっと
まず練習場に向かいます。
あまり有名選手はいないのですが、このところ調子を落としているバッバ・ワトソン選手には人だかりができていました。
後ろからアイアンの練習をのぞかせてもらうと、とにかく飛球が高い! そしてきれい!
フェード、ドローと、ものの見事に打ち分けています。
今週も優勝争いには絡んでないのですが、ショットを見る限りなにが悪いのかさっぱりわからんです。
(まぁ、練習しているプロってみんな優勝候補に見えるんですが。)
無名選手たちの見事なバンカーショットをじっくり見つつ、
1番ティーグラウンドでティーオフを二組だけ見て、
誰もいない18番グリーンで写真を撮らせてもらい、
珍しく物販など2度も漁った後、
10番ホールで韓国出身のK.J. チョイ選手のティーオフに出くわしました。
韓国の英雄ですが、アメリカ人にも人気がありますね。
「けいじぇい!」
という声がギャラリーからたくさん飛んでいました。
あんまりいい球でもなかったのですが、打った後の拍手も大きかったです。
で、今回のラウンド実況は以上です。 w)
帰る前に再確認・・・
ここまでで1時間半が経過していて、まだ11時ぐらいなんですが、もう帰ろうと思いました。
午後から用事がありますからね。
でも最後の最後にもう一度だけ練習場をのぞきます。
端から端まで。
最終組のティーオフが近づいているので一時期よりも閑散としてきています。
すると端っこから2番目の打席で、なんとなく見覚えのあるスイングをしている選手がいます。
手前の選手の陰になってますし、背中越しなので顔は見えません。
でもなんとなくアジア人っぽいスタッフがひとりふたり。
正面にまわってみると・・・・
やっぱり石川遼選手じゃないですか。
やったー。
ラッキー。
念のため練習場をもういっかい確認してよかったー。
というか、そもそも勝算はゼロではなかったというか・・。
- 以前、女子トーナメントで、予選落ちした畑岡選手を決勝ラウンドのパッティンググリーンで見かけた。
- 「予選落ち後、翌日もゴルフ場に居残って練習した石川遼。」という記事を過去にどっかでみた気がした。
という経験値のみですが・・・。
石川遼選手のショットを堪能する!
石川選手はミドルアイアンの練習をしていました。
ラウンドの予定がないため、めちゃめちゃじっくり打っています。
出場の予定がなかったので当然日本人ギャラリーはいませんし、
最終組が行ってしまったため、ギャラリー自体ほとんどいません。
セキュリティーとボランティアのほうが多いぐらいです。
なので石川遼の練習風景を独り占めします。
(正確にはキャディとスタッフが3人ほどおられましたが。)
“ISHIKAWA”のボードが立っているので
トーナメントに詳しいっぽい通りがかりのギャラリーが
「あの子(=That kid)、確か結構やるんだよな。 あれ、でもペアリングに書いてあったっけ? すんません。彼は今日ティーオフしますか?」
「いやティーオフしないです。昨日予選落ちしちゃいましたからね。」
と教えてあげるなんてこともありました。
バッバ・ワトソンの弾道には驚きましたが、石川選手のアイアンもすごいなぁ。
ふわっと上空に飛び立って、ゆったりと地上に落ちてきます。
これでなんで予選落ちなんだろなー。すげーなープロって。
ドライバーも、言うほど曲がりません。
というかぱっと見、まっすぐしか飛んでない。
巨大なアメリカンサイズの練習場には石川選手しかいなくなりました。
ふと後ろのアプローチ練習場に目をやると、同じく予選落ちした岩田寛選手が練習を開始するところでした。
それに気が付いた石川選手が遠くから軽くあいさつします。
しかし岩田選手のアプローチ練習もすごい。
左手、右手、それぞれ片手のみで、15ヤードのアプローチがすべてベアピンです。
両手使えるのに、これでなんで予選落ちなのかなー。やっぱすげーなプロって。
するとむこうからゴルフバッグを担いだ選手がとぼとぼやってきました。
同じく昨日予選落ちしたケビン・ナ選手でした。
練習そっちのけで石川選手との談笑が始まりました。
アメリカ人選手なので、会話はもちろん英語です。
でもお互いちゃんと聞き取れてるっぽいです。
この直前に、日本に行ったことがあるというスタッフと石川選手が軽く話しているのを盗み聞きしましたが、
英語は上手っぽいですね。
ジャンボがどうのこうの、ロッポンギがどうのこうのというネタにもちゃんと対応していました。
ケビン・ナ選手には晩ごはんも誘われてたみたいですが、行ったのかな?
いつ終わるとも知れない練習風景と談笑風景を見ながら、
午後に始まるフェスはどうしようかな・・・と思案しましたが、
旅行のそもそもの目的が石川遼を見ることでしたから、もうとことん付き合うことにします。
(と言っても練習をぼーっと眺めてるだけなんですが。)
ドライバーとアイアンをミックスする練習から
100ヤード前後のショートゲームの練習がひたすら続きます。
それが終わると岩田選手と合流してアプローチ練習が始まります。
当然アプローチ用のグリーンにも選手は誰もいませんから、グリーンを目いっぱいに使ってのアプローチ合戦みたいなこともやっています。
左足下りのライから下り傾斜のラインに向かってふわりと上げるアプローチなどの高等技術を含め丹念に練習していました。
アメリカ人に付き添って偶然通りかかった日本人二人組が気付き、驚いた様子で石川選手と岩田選手の近くに走っていきました。
そして選手を手招きして丁重にお辞儀しながらサインしてもらっていました。
自分もランニングアプローチショットを間近で見ます。
個人的にここのところダフリが多発していてどうしたものかと思っていたのですが、
2人の打ち方は参考になりました。
特に、通常スイングの延長として下半身を柔らかく使う打ち方はあまり頭になかったので、帰ったら早速やってみよう。
実践英会話
ここまでで3時間が経過しています。
昼飯もまともに食ってないのに、もうおなか一杯!となってきた頃、
「お疲れ様っす! 来週また会いましょう!」
と岩田選手に声をかける石川選手。
いよいよ練習を切り上げるようです。
ただで帰られちゃ困るので、
「りょうー!」
と声を掛けます。
気が付いた石川選手が振り向きます。
「サインもらえますか!」
と聞きます。
はい、ここまですべて英語です。
英語のほうが100倍下手なんですけど、
日本語じゃ恥ずかしくって声など掛けられません。
「もちろん!」
と快諾する石川選手。
もちろんはもちろん英語です。
正確には「SURE!」です。
つかつかと歩み寄ってきてくださる最中、
「あなたのプレーを今日は見に来たんすよ~。」
と英語でいいました。
「あなた」を気持ち強めにいったせいか、それとも皮肉に聞こえたせいか、苦笑いして何か言われました。
「明日も戻ってくるんですか?」
とも聞きましたが、どっちも、正直、舞い上がっていたのか、石川選手が何といったのか覚えてません。
確か、サンキュー、ソーリー、イエス、アイドンノーのどれかは言ってました。
おそるおそる
「ちょっとだけ自撮りしてもいいっすか?」
と聞きます。
サインを終えたその口から
「もちろん!」
と快諾の声が・・・。
もちろん英語です。
しつこいようですが正確には「SURE!」です。
気が付くとサングラスを外してくれてます。
おっと、俺はサングラスしたままだった。
「自分もサングラス取りますわ。」
ってなことをいいながら携帯を準備して、寄り添いながら一枚とります。
「Is it good?」
「Yeah, it looks perfect!」
ってな会話をした気がします。
「Thank you Ryo! Have a good evening!」
ってなことを言った後、ワタシのサインペンを手に持ったまま離れようとした石川選手が、
「Oh, this is your pen.」
といってそっとペンを返してくれました。
まさか石川選手の口から「これはペンです。」という中学英語を聞けようとは・・・。
さすがスピードラーニング。
パイナッポーペンはまだ死語にあらず。
いやぁ、しかし石川選手は男前でした。
人生で会ったなかで最高のイケメンだったかも。
出場予定のない決勝ラウンドで遭遇し、練習場とはいえじっくりといろんなショットを観察でき、かつサインと自撮り写真をもらえるなんて、超ラッキーすぎます。
帰ろうとした間際、念のため練習場を確認したのがすべてでした。
あそこで偶然石川選手を発見してなければ、何の収穫もなく、ほんとにトーナメントを「チラ見」して往復5時間以上運転した徒労感だけが残ったかもしれません。
ほんと、誰もいない練習場で長時間ボールを打ち続けていた石川、岩田両選手には今後もアメリカでがんばってほしいです。
それからケビン・ナ選手も。
余談ですが、まだ時間があったので、夕方にフェス会場へ行きました。
チケットは当日買えるだろうと思っていたのですが、この日だけソールドアウトでした・・・。
ちゃんちゃん。